Jリーグ浦和レッズサポーターによる「JAPANESE ONLY」横断幕掲示問題を考える - 一般社団法人在日コリアン・マイノリティー人権研究センター

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Jリーグ浦和レッズサポーターによる「JAPANESE ONLY」横断幕掲示問題を考える

【投稿日】2014年4月22日(火)

 3月8日のJリーグ浦和レッズホームの「埼玉スタジアム2002」で開催された試合において、一部のレッズサポーターが入場口に「JAPANESE ONLY」という横断幕を掲げた問題が大きく報道された。Jリーグはこの横断幕を「差別とうけとめられかねない」とし、浦和レッズにたいして調査を要請、その報告を受け、3月13日に譴責処分とホームゲームの無観客試合(1試合)という制裁を下した。Jリーグの村井チェアマンは「その行為を行った側がどういう考えに基づいていたのかということではなく、受け手がどのように感じたかということに目を向けるべき」とコメントしている。全くその通りである。浦和レッズはその後「スポーツクラブのひとつとしての存在意義を失うという深刻な危機に直面していると認識」し、二度と繰り返さないために当該サポーターグループの活動停止、入場禁止処分、社長の役員報酬の自主返納、職員への社内規定における処分などを実行した。さらに、無観客試合が行われた3月23日に、レッズの選手全員が差別撲滅宣言を行った。「宣誓、僕たちは人種、肌の色、性別、言語、宗教、もしくはその他のいかなる理由による差別も認めないことを宣言します」「私たちはサッカーを通じて結ばれた仲間と、共に差別と闘うことを誓います。2014年3月23日、浦和レッドダイヤモンズ阿部勇樹」またこれに呼応するかのように、横浜Fマリノスのサポーターは「Show Racism the Red Card」(レイシズムにレッドカードを)という横断幕を掲げた。

 このような一連の動きは、昨今、むき出しの排外主義が蔓延する日本社会もまだまだ捨てたものではないと思わせた。だがまだまだ不十分である。まずこのような横断幕をかかげたサポーターのその行為に至る背景や真意が不明確だ。「差別的な意図はなかった」と話しているそうだが、活動停止・入場禁止として切り捨てただけである。ヒアリング内容をすべて公開し、もっと根本的な原因を追及すべきだ。そして、この問題がすでに過去のこと、となっていることだ。ぜひ浦和レッズのホームページを見て欲しい。この件にかんするページを探すのに一苦労することだろう。本気で差別の撤廃に取り組むつもりなら、トップページに継続して掲載し、その精神を忘れないという姿勢をしめすべきだ。表面的な対応に終始していれば、また同じような問題を繰り返すだけである。本気でこの問題と向き合った選手、サポーター、そして在日外国人すべてを裏切り、再び傷つけるようなことがあってはならない。(K)