「従軍慰安婦」被害者への人権侵害を許すな!! - 一般社団法人在日コリアン・マイノリティー人権研究センター

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「従軍慰安婦」被害者への人権侵害を許すな!!

【投稿日】2014年7月21日(月)

 6月21日と22日に「新しい歴史教科書をつくる会・京都府支部」(以下、「つくる会」)などが京都の公共施設である「ひとまち交流館・京都」で『こんなにひどい教科書と 捏造! 従軍慰安婦展』を開催した。「つくる会」は、昨年より「河野談話」の撤廃を求める署名に取り組み、全国各地で署名の推進と宣伝活動を行っている。「つくる会」は1997年の結成以来、「慰安婦」問題を、朝鮮人強制連行と並ぶ【自虐史観】の最たるものであると批判し、その記述を教科書から取り除く運動を行っている。今回の展示会では、『「従軍慰安婦」はねつ造であり、「河野談話」には全く根拠がなく、日本人は無実の罪で貶められており、真実の歴史を知り、自虐史観から脱しましょう』と主張している。いうまでもなく「従軍慰安婦」被害者への民族差別・人権侵害であり、けっして許されることではない。

 そしてなによりも深刻なのは、このような民族差別の意図を持った展示会を、京都市が何の検証もせず許可したことだ。「河野談話」を継承している日本政府の意向、日本政府に勧告を続けている国連人権理事会、被害者のための決議を行っている欧米の多くの議会の意向を無視し、それにより民族差別に荷担した京都市の罪は大きい。国際都市を標榜する京都が、国際社会から孤立しかねない事態である。

 京都の次は排外主義系団体である「凜風やまと・獅子の会」が「検証~いわゆる従軍慰安婦展」の開催を堺市、奈良県生駒市、高槻市で予定している。「つくる会」も協賛し、衆議院議員の中山成彬議員と西村眞吾議員が後援している。情けないことにすべて公共施設での開催である。堺市は「ハギハッキョ」(夏期学校)に代表される国際理解教育の先進地域である。奈良県生駒市は投票資格者に定住外国人も含めた生駒市民投票条例案を6月24日に可決したばかりだ。高槻市は、「従軍慰安婦」問題の解決に汗を流す辻本清美議員の地元である。開催場所にも悪意を感じざるをえない。黙って見過ごすわけにはいかない。幸い大阪府門真市では、かつて在特会系の民族差別集会が公共施設で開催されようとした時、戸田ひさよし議員が中心となって、それを阻止した。門真市教育委員会は「差別を許さない」という姿勢で民族差別集会をはね除けたという先例がある。ぜひ見習いたい。

 日本国憲法その他に「言論の自由」は謳われているが、民族差別を垂れ流し、当事者を傷つけ、社会に憎悪をまきちらす「自由」なぞ、認めるわけにはいかない。そしてなによ  りも、PTSDに苦しみ、いまだに「セカン  ドレイプ」を受け続けている「従軍慰安婦」  被害者のハルモニたちの想いに、心を寄せ、これ以上の人権侵害をさせないよう行動していきたい。(高敬一)